株式会社AccuTech



第4−1話 G2連続フィレット   (07/11/29掲載)

皆様は、外観部品を設計し、金型で試作した時にフィレット部で折れ線が見えて気になった経験はありませんか? これはG1連続(接線連続)の形状的な限界です。加工が悪かった訳ではありません。一般的に、金型仕上げ時に、加工者がフィレット部を研磨する段階で、気にならなくなるよう研磨しているので、最終製品ではあまり気になる物は少ないのですが…。でも海外などで金型を立ち上げる必要がある時は、気になる部分です。Pro/Eの基本パッケージでは、G2連続(曲率連続)のフィレットを作成するコマンドはありませんが、裏技的な手法により、基本パッケージのみでG2連続フィレットを作成する事が可能です。今回は、その手法をこっそり公開します。

まず、G1連続G2連続の違いについて、簡単に確認しましょう。
通常R図 G2連続R図
皆様、どちらがG2連続か分かりましたか? 右がG2連続です。図をクリックして大きな図を見てください。G2連続では滑らかに平面とフィレットが繋がっておりますが、G1連続ではフィレット稜線が目立ちますね。高光沢の塗装をしたら、稜線が目立ってしまいます。
通常Rゼブラ図 G2連続Rゼブラ図
ゼブラ反射表示では、反射が屈曲している様子が分かります。G1連続(左側)では、屈曲が目立ちます。図をクリックして大きな図で確認してください。
通常R曲率図 G2連続R曲率図 G2連続R曲率UG図
ガウス曲率表示では、G2連続(中央図)はコーナーフィレットが綺麗に周囲面と連続している様子が分かります。G1連続(左図)の場合は、フィレット境界面で極端な曲率変化があり、これが稜線の屈曲のように見えるのです。右側の図は、UG NX4のG2連続フィレットコマンドで作成したサーフェスをPro/Eに取り込んだ物です。Pro/Eによる簡易的なG2連続フィレットより若干綺麗に出来ております。平面若しくは平面に近い大きな面の稜線に、G1連続のフィレットを作成すると、綺麗な形状にはなりません。

続きは、第4−2話で具体的なG2連続フィレット作成手順を紹介します。